交通安全・自動運転技術等の調査・研究 について

2017年10月26日、愛知県一宮市で起きたスマホながら運転により則竹敬太君の命が奪われた大変痛ましい交通事故と、その後の父崇智様のスマホながら運転防止のための真摯かつ懸命な活動については皆様の記憶にも新しいことと思います。

当社丹羽もこの事故以降、所属事務所のHP等で刑事裁判の様子や、2019年12月1日の改正道路交通法によりスマホながら運転が厳罰されたことなどを逐一お伝えするなど、ながらスマホ運転防止のための活動を続け、ながらスマホ運転が物理的に不可能となるシステムの開発が急務であることを訴えて参りました。
その折、ここ愛知県大府市に所在する3Gサポート株式会社様(以下「3Gサポート社様」といいます。)が、トラック向けのながらスマホ運転防止装置を開発し、既に物流会社で実装されていることを知り、2022年12月8日、丹羽と友近と3Gサポート社様本社を訪れました。
3Gサポート社様には田中史和社長に対応いただきました。

田中社長のご経歴

田中社長は、大変興味深い経歴をお持ちで、高校生のころには本気でプロレスラーを目指し、弁護士を志して進学した中央大学法学部では一転バイクレーサーになるべく自らスポンサーを集めバイクレースに明け暮れ、就職したアイシン・エィ・ダブリュ株式会社ではトランスミッションの営業や生産管理業務に16年間従事したのち、独立開業をすべく会社経営の勉強のため株式会社帝国データバンクに転職し、2017年3Gサポート社を設立しました。

3Gサポート社様の強み

3Gサポート社様では、田中社長がアイシン勤務時代に工場生産工程自動化技術(FA技術)で培ったBeaconを用いたセンシング・通信・信号解析技術を用い、トラックの物流運送効率化システム『AirDia(エアダイア)』、コインパーキングシステム『ALIoT(アリオット)』、 ショールーミングケース『KAZA STORE(かざストア)』などの大変独創的なアイデアで画期的なシステムを次々と開発し、社会実装しています。
特に、センシングに用いられているBeaconの信号受信の不確実性というデメリットを特許取得済みの解析技術(ダブルBeacon検知技術)を用いて信頼性を確立し、バックグラウンドでの高い通信技術により、得られた情報は人の手を介さず即時にスマートフォンにインストールされたアプリ上に簡易かつ明確に表示されます。
すなわち、3Gサポート様のシステムは、いずれも安価かつ手軽に導入が可能であり、ユーザにとって極めて有用性の高い情報を簡易に得られるという点、運送を巡る問題に即時に対応できる発展性・応用性に大きな強みがあると考えられます。


そして、AirDiaの拡張機能として、ながらスマホ防止装置である『見守りAirDia』が実装され、さらに近時大きな話題となり、社会的課題であるバス内での園児の置き去りを防止する『園児見守りシステム』が既に開発されるなど、高い応用性や発展性を有しています。
以下、各システムを紹介いたします。

次世代物流・運送管理システム『AirDia』

「AirDia」は、Beaconが設置された輸送トラックと専用アプリをインストールしたスマートフォンを用い、トラックの位置情報をAIにより分析し、最適な配車とルート選定を可能にするダイヤ表を自動生成したり、バースの利用状況によるデータを取得することで、効率的な運送を可能にするシステムです。
これにより、トラックの流れを一括管理・分析することで、人力で作成していたトラックの運送計画を自動的に最適化できます。
また、渋滞を回避し、適切な休憩場所を提供し、バースでの待機時間を縮小することで、ドライバーの働き方改革に寄与できるなど、全国の物流・運送会社が抱える諸問題を一括解決し、生産性向上を目指すシステムです。
AirDiaは、トヨタ系の大手自動車部品輸送会社であるカリツー株式会社様に既に導入されています。
詳細はこちらの3Gサポート様のHP(こちら)をご覧ください。

園児見守りシステム

さらに、AirDiaのシステムを応用して開発されたのが、近時社会的に大きな話題となった園児等の車内置き去りを防ぐ「園児見守りシステム」です。
Beaconが内蔵されたキーフォルダーを各園児や児童が所持し、見守りアプリがインストールされたスマートフォンを送迎バス内に設置することで、園児等のバスへの乗降を管理し、ドライバーがスマートフォンを確認することで、設置された園児や児童の送迎バス内での置き去りを防ぐことができます。
また、保護者に安全に送迎されたかを知らせることや、事業者側の通学管理も可能となります。


ながらスマホ防止装置『見守りAirDia』


3Gサポート社は、「AirDia」を応用することにより、ながらスマホ防止装置を開発しました。
それが「見守りAirDia」で、トラックに設置されたBeaconの制御機能を使ってトラックの運行状態とスマホの動きを捉え、トラックの運転中にドライバーがスマホを使用した兆候が捉えられた際にすぐに本社に通知が届くシステムになります。
車内にBeaconを設置し、スマートフォンに専用アプリを入れるだけで簡単に管理ができますので、未だ社会的に大きな問題となっている、極めて危険なトラックドライバーのながらスマホ運転を簡易かつ容易に防止できます。


AirDiaの強みとnitroの願い

以上のとおり、AirDia自体はBeaconとスマホを利用する極めて簡易なシステムではありますが、ドライバーの運行管理に留まらず、喫緊の課題である、ながらスマホ運転や園児置き去りを防止装置としても極めて大きな効果を発揮でき、今後も事業用車両に関する諸問題に容易に対応できる応用性を有しています。

安全な交通社会を目指し日々調査・研究を進める我々nitroとしましては、物流・運送業者に限らず、バスやタクシーなどの旅客運送事業者も含め、このようなながらスマホ防止装置を搭載することが、プロドライバーによるながらスマホを抑止するために絶対に必要なことですし、事業者の責務でもあると考えています。
行政サイドとしても、例えば、見守りAirDiaなどの、ながらスマホ防止装置を導入した運送会社にGマーク(安全性優良事業所)を付与する条件としたり、究極的には事業者認可要件にするなど徹底的な対策を講じるべきです。
そして、このような事業者の取り組みを通じて、ながらスマホ防止装置の存在が広く一般に周知されることで、一般車へのながらスマホ防止装置の開発・導入の契機となり、一般及び事業用車両問わずすべての車両が、技術的・物理的にながらスマホ運転が不可能になるような社会の早期実現を期待しています。

3Gサポート様概要

会社名    3Gサポート株式会社
会社URL https://3gs.work/
代表取締役 田中 史和 様
所在地    〒474-0056 愛知県大府市明成町3丁目54-1 blue3cafe内 2F
事業内容  
・コインパーキング機器の開発・製造・販売
・コインパーキング「パーキングALIoT」の運営
・トラック物流改善システム「AirDia」の開発・製造・販売
・保育/幼稚園バス安全装置「AirDia for KIDS」の開発・販売
・IoT実証実験カフェ「Blue3Cafe+ToGo」の運営
・その他各種工場などのIoTハードウェア/ソフトウェアの受託開発
主要取引先    
カリツー株式会社、株式会社KEYENCE、富士電機株式会社、JR東日本メカトロニクス株式会社、極東開発パーキング株式会社など

3Gサポート様へのお問い合わせは、以下の問い合わせフォームからお願いします。
https://3gs.work/#contact

本記事の内容は、すべて合同会社nitroが責任を負います。